シンバルの種類と名称
スタンダードなドラムセットで使われるシンバルの名称は以下になります。
- ハイハット
- ライドシンバル
- クラッシュシンバル
- スプラッシュシンバル
- チャイナシンバル
それぞれドラムセットにおける役割は違っていますが、クラッシュシンバルとスプラッシュ、チャイナシンバルは基本的に同じ使い方をします。
ライドシンバルの部位の名称と使い方
ライドシンバルは、ドラムセットに向かって左側に設置されるシンバルで、ハイハットと同じく、ビートの中で細かくリズムを刻む役割のシンバルとして使われます。
ライドシンバルには、「ボウ」・「エッジ」・「カップ」という名称の3つの部位があり、その部位を使い分けて叩き方にバリエーションを出します。
エッジという名称の箇所を叩く場合、ライドシンバルをクラッシュのような音色として使うために叩きます。
フィルインが終わって、ビートの頭にクラッシュシンバルを叩いた後、ライドシンバルでリズムを刻み始める時に、クラッシュシンバルの音色とライドシンバルの音色が馴染みやすいようにエッジを叩くことが多いです。
ボウという名称の箇所は、8ビートやシャッフルビートでハイハットの代わりに叩く時に使います。
カップという名称の箇所は、「キーン!」とした甲高い音色になっていて、ボウと使い分ける事でリズムの刻み方にバリエーションを出す目的として叩きます。
クラッシュシンバル系のシンバル類の名称と使い方
冒頭で紹介した「クラッシュシンバル」・「スプラッシュシンバル」・「チャイナシンバル」は、いずれもクラッシュシンバルとしての役割の打楽器です。
クラッシュシンバルは名称の通り、ドラムのビートをクラッシュさせる目的で叩かれるシンバルで、音色の違いはありますが、「スプラッシュシンバル」と「チャイナシンバル」も同じ目的で使うシンバルです。
スプラッシュシンバルは、クラッシュシンバルとチャイナシンバルと少しスタンドが違っていて、関節の無いスタンドにそのまま差し込んだ状態で使う事が多いです。
スプラッシュシンバルは、サスティンが短い「シャン!」という音色のシンバルなので、クラッシュシンバルを叩いた後、少し物足りない場合などに、ちょこっと叩いたりします。
チャイナシンバルは、乾いた音色の音で、アタック音が大き目なので、インパクトを出したい楽曲の展開時などに叩きます。
タムタムのパーツの名称
タムタムというのは、バスドラムの上に設置される太鼓系の打楽器です。
スネアよりもシェルの深さが長く、ボンボンといった音が鳴ります。
また、ドラムセットに向かって右側にあるのがハイタムといって、左側にあるのがロータムと言います。
名称の通り、ハイタムは少し高めの音で、ロータムは低めの音になります。
また、ドラムセットによっては、ハイタムとロータム以外にもミドルタムという名称のタムを設置して、タムの音域を細かくするセッティングにしたりします。
タムタムをセットする際には、バスドラムに備わっているタムホルダーベースと言う箇所にタムホルダーと言う名称の棒を指して、そのホルダーにタムを取り付けます。
フロアタムのパーツの名称
フロアタムと言うのは、ドラムセットの向かって左側にあるシェルがかなり深めの太鼓の打楽器です。
フロアタムレッグという名称の足を、フロアタムレッグブラケットに取り付けて、地面に接する状態で設置します。
タムタムとフロアタムの音色のチューニング
タムタムやフロアタムの音色のチューニングを行う際にも、スネアの時と同じように、テンションボルトと言う名所の金具を、チューニングキーで回して、ヘッドの革の張り具合を調節します。
テンションボルトをきつく締めるほど、高い音になり、緩めるほど低い音になります。
ただ、締めすぎるとタムタムやフロアタム本来の音色が崩れてしまいますし、緩めすぎるとアタック音が全然ないボワーンとした音色になってしまいますので、丁度良いチューニングで、なおかつ、叩いた時のサウンドも考慮してテンションボルトの締め具合を調節しましょう。
ビートでのタムタムとフロアタムの使い方
8ビートや16ビートにおいて、タムタムとフロアタムはあまり使う事がありませんが、ジャングルビートといった民族系のビートではメインの打楽器として使います。
また、8ビートにおいては、ハイハットの代わりにフロアタムを叩き、スネアの代わりにタムタムを叩くといったビートパターンがあります。
ですが、ドラムセットにおいて、タムタムとフロアタムは主にフィルインで使います。
フィルインでは、スネアからハイタム・ロータム・フロアタムというように音が下がるように叩いていきます。
ハイハットのパーツの名称と使い方
ハイハットというのは、ドラムセットに向かって、スネアよりも右側に設置されるシンバル系の打楽器です。
ハイハットは、スタンドの先に伸びている心棒という棒に二枚のシンバルの穴を通して、二枚のシンバルが貝のように重なるようにしてセッティングします。
ハイハットのスタンドの下には、ペダルが付いていて、そのペダルを踏むと心棒が下に引っ張られる仕組みになっています。
ハイハットの上に載せているシンバルは、ハイハットクラッチと言う名称の留め具を使って、心棒とシンバルをボルトでくっ付けています。
ハイハットクラッチで心棒にくっ付けた上のシンバルは、ハイハットペダルを踏むのに合わせて下に移動するようになっているので、ペダルを踏むことで二枚のシンバルが閉まり、ペダルを踏まないようにする事で二枚のシンバルが開きます。
ハイハットのクローズ・オープン・ハーフオープン
二枚のシンバルが閉じた状態をクローズハイハット(Close Hihat)と言って、二枚のシンバルが開いた状態をオープンハイハット(Open Hihat)と言います。
また、二枚のシンバルが少しだけ開いている状態をハーフオープンハイハット(Harf Open Hihat)と言います。
ハイハットでは、ペダルの踏み具合によって、この3つの状態を使い分けて叩きます。
クローズハイハットは「チチチチ」、オープンハイハットは「シャシャシャシャ」、ハーフオープンハイハットは「シュシュシュシュ」という音色になります。
ビートでのハイハットの使い方
ハイハットは、ビートの中でリズムを細かく刻む役割の打楽器として使われます。
8ビートでは、1小節間に8分音符で8回叩き、16ビートでは、1小節間に16分音符で16回叩きます。
また、ビートの中で、オープンハイハットとクローズハイハット、ハーフオープンハイハットを使い分けて、細かいリズムの中に隙間が出来るようなリズムをハイハットで作ったりします。
スネアのパーツの名称と使い方
スネアという名称の打楽器は、ドラムセットに向かって右側に、スタンドに乗せられて設置される太鼓系の打楽器です。
スネアは、両手に持っているスティックで叩くので、スタンドの高さを調節して、自分の叩きやすい高さにセッティングします。
スネアの胴体のパーツの名称を「シェル」と言います。
スネアは大きく分けるとウッドシェルとメタルシェルに分けられて、ウッドシェルの中にも材質によって音色が異なり、メタルシェルの材質ごとでも音色が変化します。
ウッドシェル(木材シェル)のスネア
ウッドシェルの材質には以下のものがあります。
- メイプル
- バーチ
- マホガニー
メイプルのウッドシェルでは、バランスのとれた鋭く温かみのある音色を出すスネアになります。
バーチのウッドシェルでは、研ぎ澄まされた明るめの音色のスネアになります。
マホガニーのウッドシェルでは、低音が少し多めの豊かな音色のスネアになります。
メタルシェル(金属シェル)のスネア
メタルシェルのスネアには以下のものがあります。
- スチール
- アルミ
- ブラス(真鍮)
スチールのメタルシェルのスネアでは、サスティン長めのシンプルなスネアの音色になります。
アルミのメタルシェルのスネアでは、温かみのあるマイルドな音色になります。
ブラスというのは、真鍮の事で、トランペットやサックスなど、ブラスバンドで使われる管楽器に用いられている黄金色の金属の事です。
ブラスシェルのスネアだと、明るく煌びやかな音色になります。
いずれのスネアにおいても、ラグの締め具合や、スナッピーの締め具合などによって音色の調節を行って、より細かい音色の調節を行う事が出来ます。
ビートにおけるスネアの役割と使い方
8ビートやダンスビートなど、ドラムのビートパターンにおいて、スネアはビートにアクセントを付ける役割として叩きます。
ビートにおけるスネアの具体的な使い方としては、2拍目と4拍目に叩くといった使い方です。
また、フィルインではメインの打楽器として、左右のスティックで叩く強さをバラつかせながら、アクセントを細目に変化させて叩きます。
また、スネアでは、通常のスティックとは別にブラシスティックを使って叩いたりします。
ブラシスティックは、ジャズなどのジャンルで使われる事が多いです。
バスドラムのパーツの名称と使い方
バスドラムはドラムの中で最も低い音域の音を出すことが出来る打楽器です。
バスドラムはスパーという足の役割をするパーツを付けて、ドラムセットの中央に地面と接する状態で設置され、きき足でペダルを踏んで叩きます。
この画像はドラムセットを正面から見た状態なので見えていませんが、ドラマー側から見るとバスドラムの手前にペダルが設置されています。
バスドラムのペダルは、バスドラムのリム・フープの箇所にペダルの金具を挟む形で固定します。
そうする事で、ペダルを踏んでも、バスドラムのフロントヘッドとペダルのビーターが当たる箇所がズレないようになります。
バスドラムの音色の調節
バスドラムには色々な種類があり、それぞれのバスドラムごとに音色が違っています。
バスドラムの音色の違いを作っているのは、バスドラムのシェルの深さ、口径の直径、シェルの材質、サウンドホールの空き具合、といった要素です。
ですので、自分が望んでいるバスドラムの音色に仕上げるには、これらの要素をいい具合に調節する事になります。
また、バスドラムのフロントヘッドの張り具合をラグという金具の締め具合で調節する事で、バスドラムの音色が「ドムッ」という張った感じになったり、「ドフウッ」という緩い空気が抜けた感じになったりします。
また、ラグの締め具合を調節する際には、チューニングキーと呼ばれる金具を使用します。
ビートにおけるバスドラムの役割
8ビートや16ビートにおいて、バスドラムはビートの区間を分けるために使われたり、逆に区間を繋げたりするために使われます。
また、バスドラムの叩き方によって、ビート全体の速度における感じ方が早くなったり遅くなったりします。
8ビートと16ビート、4ビートでは、バスドラムは1拍目と3拍目に叩かれる事が多いです。
メロコアなどのBPMが速いジャンルでの2ビートでは、バスドラムはダブルキック(ダブルストローク)で叩くことが多く、ドラム初心者の人にとっては、スティックのストロークと同じく最初に立ちはだかる難関となります。
ですがダブルキックは出来るようになると、かなり楽しいので練習を怠らずに頑張ってください。
一般的なドラムセットのパーツ
ドラムセットで使われるパーツというのは、ドラマーによって異なりますが、一般的なセッティングと言うものもあります。
一般的なセッティングでは、「バスドラム」・「スネア」・「ハイハット」・「ライドシンバル」・「クラッシュシンバル」・「ハイタム」・「ロータム」・「フロアタム」という8つのパーツで構成されます。
少し特殊なドラムセットのセッティング
また、少しだけ特殊なドラムセットのセッティングとしては、「ロータム」を無くして、フロアタムのインチとシェルの深さが長いものをもう一台セットするといった接心具があります。
また、ロータムを省いた事で、フロアタムとハイタムの間に空間が出来るので、その箇所にライドシンバルを設置したりします。
また、このドラムセットでは、右側のクラッシュシンバルのすぐ下に、少し小さ目のチャイナシンバルと言うクラッシュ系シンバルが設置されています。
ドラムセットのセッティングには名称などはありませんが、有名ドラマーのセッティングなどでは、”○○(ドラマー名)使用のドラムセッティング”といった感じで呼ばれたりします。
8ビート・16ビートを叩くには打楽器の名称を覚える
ドラムで8ビートや16ビートと言ったビートパターンを叩けるようになるには、まずは、ドラムセットで使われる各パーツ・打楽器の名称を覚えましょう。
ドラムの教本などを読んでみると、当たり前のようにドラムのパーツ名を使って8ビートなどのビートパターンを解説してくるので、ドラムの各パーツの名称を覚えていないと、教本に書かれている内容を理解する事が自体が出来ないからです。
ドラムのセッティングには色々ありますが、ドラム初心者の方がビートを叩けるようになるためであれば、一般的なドラムセットで使湧得るパーツの名称と、ビートを叩く際の役割や使い方さえ覚えれば良いと思います。
ですので、冒頭に紹介した8つのパーツの名称と使い方について覚えていきましょう。